英国EU離脱と日経平均株価
イギリスでEU離脱の是非を問う国民投票が6月23日に行われ、結果が発表されました。
イギリス国民が出した答えは「EU離脱」でした。
離脱票が51.9%、残留票は48.1%という僅差の結果でした。
投票率は72.1%という、非常に高い数字であり、イギリス国民はこの投票に高い関心を寄せました。
市場はこの結果を受けて、大きく反応しました。
為替は1ドル99円台まで円高が進み、日経平均は1,200円以上下げました。
円は対ユーロ、対ポンドともに強く円高方向に振れました。
そもそも英国のEU(当時のEC)加盟には当時の英国の経済不振がありました。
しかし、ここにきてEU加盟によるデメリットが大きくなりました。
その最たる要素が「これ以上移民・難民を受け入れられない」ということです。
EU加盟国は難民受け入れを拒否できないため、
イギリスへの大量流入を抑える手段がありません。
イギリスがこれ以上の受け入れを拒む最大の理由は、
イギリスの社会保障に関する国民の税負担が重くなるからです。
イギリスがEUを離脱した場合の影響として、
最大の影響はヨーロッパの中枢マーケットとしての地位からの陥落が考えられます。
ロンドンには各国の金融機関がこぞって拠点を置いています。
それはロンドンに拠点を置けばEUのその他27か国でも自由にビジネスを展開できるからです。
しかしながら、イギリスがEUを離脱するとヨーロッパに展開できない恐れが出てきます。
そのためこれらの企業がロンドンを離れる恐れがあるのです。
イギリスがEUを離脱した場合、金融機関の多くはドイツかフランスに移転すると言われています。
そうすると、当然、多くの失業者が出ます。
経済力が低下するとイギリスの通貨であるポンドの価値が低下します。
イギリスの購買力が弱くなると、EU全体の景気悪化に繋がります。
EU諸国への輸出に対する関税の復活
イギリスに進出している日本企業の数は931社です。
イギリスの景気が悪くなれば、日本もかなりの影響を受けるでしょう。
ポンド安、ユーロ安になると、今度は日本の輸出産業にも大きな影響が出てきます。
日本の対ヨーロッパ輸出が落ち込み、日本経済全体の景気悪化にもつながってくるわけです。
イギリスの結果が出た今、その先行きを見守りたいと思います。
その当時からの日経平均株価の推移を以下に纏めました。
その日は大変な状態でしたが現在は戻しています。