政府による経済指標

◆政府が公表する経済指標

政府は各省庁を通して、様々な経済指標を公表しています。

ここでは、政府発表の主なものをご紹介します。

○日銀が公表する経済指標
○財務省が公表する経済指標
○総務省が公表する経済指標
○厚生労働省が公表する経済指標
○経済産業省が公表する経済指標
○国土交通省が公表する経済指標

○内閣府が公表する経済指標

月例経済報告  景気に対する政府の公式見解の原案になるもので、主要経済指標を基に作成しています。 経済財政担当相が関係閣僚会議に提出しています。

主要経済指標は以下の項目に関する指標です。

国民所得統計速報、個人消費、民間設備投資、住宅建設、
公共投資、輸出・輸入・国際収支、生産・出荷・在庫、
企業・倒産、雇用情勢、物価、金融、景気ウォッチャー調査、
海外経済

参考URL:
月例経済報告関係資料

機械受注統計  機械製造業者の受注する設備用機械類の受注状況から設備投資動向を把握するために調査されています。 調査対象は308社で機械製造業者280社をベースに調査されています。

調査項目は以下の項目です。

(1) 需要者別受注額

(2) 民間需要の業種別受注額

(3) 機種別受注額、販売額及び受注残高

調査機種は以下の機種のうちから、設備投資に関連を持つ注文機械製品及び一部の見込生産の機械製品です。

なお、部品、修理、補修工事、及びこれに付帯した据付工事も含んでいます。

原動機、重電機、電子・通信機械、産業機械、工作機械、
鉄道車両、道路車両、航空機、船舶

参考URL:
機械受注統計調査報告

景気ウオッチャー  マクロ経済統計だけではつかみにくい「実感を伴った景気」の動向を素早くつかむために2000年1月から始まりました。 毎月25日から月末にかけ、全国11の地域で委託を受けたウオッチャー2050人に対して「3か月前と比較した今月の景気」「2~3か月先の景気」などを聞いてその回答を元にして判断指数を出します。

最大の特徴は、調査終了から公表まで約1週間しかかからないため、他の経済指標に比べて今の景気動向をすばやくつかめる事です。

ただし、消費や雇用などの情報は集まりますが大企業の設備投資などの状況がつかみにくく、景気の実態以上に振れが大きいので他の指標との併用が必要です。

調査項目は以下のとおりです。

現在の景況感

今後の景況感(家計関連、企業関連、雇用関連)

参考URL:
景気ウォッチャー調査

消費動向調査  個人消費の動向を把握するための調査で経済政策の企画・立案の基礎資料としています。 全国の約4,500万世帯から6,720世帯を統計的な方法によって抜き出して毎月調査しています。

調査項目は以下のとおりです。

1.消費者の意識
2.物価の見通しについて
3.旅行の実績・予定(6・9・12・3月のみ)
4.自己啓発、趣味・レジャー・サービス等の支出予定
(6・9・12・3月のみ)
5.耐久消費財等の保有・買い替え状況(3月のみ)
6.世帯の状況

参考URL:
消費動向調査

景気動向指数  様々な指数を以下の3分野にまとめています。 各分野の各指数を3ヶ月前の値と比較しています。

増加・保合・減少している指数が各分野で幾つあるかで50%を上回ったか下回ったかを判断しています。

先行指数:景気に先行して動く指数
数ヶ月先行することから景気の動きを予知します。
一致指数:景気にほぼ一致して動く指数
遅行指数:景気に遅れて動く遅行指数
半年から1年遅行することから景気の転換点や
局面の確認に利用します。

先行指数
最終需要材在庫率指数
鉱工業生産財在庫率指数
新規求人数
実質機械受注
新設住宅着工床面積
耐久消費財出荷指数
消費者態度指数
日経商品指数
長短金利差
東証株価指数
投資環境指数
中小企業売上見通しD.I.
一致指数
生産指数(鉱工業)
鉱工業生産材出荷指数
大口電力使用量
稼働率指数(製造業)
所定外労働時間指数(製造業)
投資財出荷指数
商業販売額(小売業)
商業販売額(卸売業)
営業利益
中小企業売上高(製造業)
有効求人倍率(除学卒)
遅行指数
第3次産業活動指数
常用雇用指数(製造業)
実質法人企業設備投資
家計消費支出
法人税収入
完全失業率

参考URL:
景気動向指数

↑先頭

○日銀が公表する経済指標

金融経済月報  日銀が月1回、金融・経済情勢を分析した資料です。 金融政策の方針を決める金融政策決定会合で内容を審議し政策決定の基礎資料とします。

決定会合の全日程が終了した翌営業日に公表します。

参考URL:
金融経済月報

企業短期経済観測調査(短観)  全国の企業動向を把握する事を目的とした調査で、毎年3、6、9、12月に調査を実施し、それぞれ4・7・10・12月に調査結果を公表しています。 調査対象は全国の資本金2千万円以上の民間企業から、売上高・資本金・雇用者数に関する一定基準を満たす企業です。

(3月調査時の対象企業数は10,562社)。

調査項目は「判断項目」、「四半期項目」、「年度計画」、「新卒者採用状況」に関する以下の項目です。

・判断項目

業況、国内での製商品・サービス需給、海外での製商品需給、
製商品在庫水準、製商品の流通在庫水準、生産・営業用設備、
雇用人員、資金繰り、金融機関の貸出態度、CPの発行環境、
借入金利水準、販売価格、仕入価格
CP:(コマーシャル・ペーパー)
企業が無担保で短期資金を調達するために発行する
約束手形・電子CP

・四半期項目

負債計、金融機関借入金、CP、社債、資産計、現金・預金、
短期所有有価証券、投資有価証券、雇用者数、パート、
有利子負債残高、手元流動性水準

・年度計画

売上高、輸出、輸出に際しての為替レート、材料費、人件費、
減価償却費、営業利益、金融収益、金融費用、経常利益、
当期純利益、設備投資額、土地投資額、ソフトウェア投資額

・新卒者採用状況

新卒採用者数

参考URL:
「短観(全国企業短期経済観測調査)」の解説

企業物価指数
(旧卸売物価指数)
 企業間で取引される商品の価格に焦点を当てた物価を調査したもので、日銀から毎月刊行されている「物価指数月報」に掲載されます。 速報値と確報値があり、速報値は原則として翌月の第8営業日目、確報値は翌月分の速報公表日に公表されます。

各商品を以下の分類で指数化しています。

国内企業物価指数:

国内市場向けの国内生産品の企業間における取引価格を
調査対象とした物価指数。
5大類別と20類別で構成しています。

輸出物価指数

輸出物価指数は輸出品が本邦から積み出される段階の価格を
調査した物価指数。

8類別で構成しています。

輸入物価指数

輸入物価指数は輸入品が本邦へ入着する段階の価格を調査した
物価指数。

8類別で構成しています。

参考URL:
「企業物価指数」の解説

↑先頭

○財務省が公表する経済指標

貿易統計  貿易の実態の把握と各国との比較をする事で経済政策や企業の経済活動の資料にするために作成されます。 統計は以下の3種がされますが一般的なものは貿易統計です。

(1) 普通貿易統計

貨物の輸出(積戻しを含む。)及び
輸入(蔵入れ、移入れ、総保入れ及び輸入許可前引取り
を含む。)に関する統計を指します。

(2) 特殊貿易統計

金統計(金貨及び貨幣用金に関する統計)、
船用品・機用品統計(積み込まれた船用品及び機用品に
関する統計)及び
通過貿易統計(本邦を通過する外国貨物に関する統計)を
指します。

なお、この統計は貿易統計とは別個の統計として作成され
ます。

(3) 船舶・航空機統計

船舶・航空機統計とは、船舶及び航空機の入出港に関する
統計を指します。

参考URL:
財務省貿易統計 統計の概要

国際収支  一定期間における国または、それに準ずる地域との対外経済取引を記録した統計で、毎月公表されています。 対外経済取引とは、財・サービス・所得の取引、対外資産・負債の増減に関する取引等を指します。

参考URL:
対外の貸借と国際収支

法人企業統計調査  企業活動の実態を資本金別の法人数で把握する統計調査です。 この調査は2種類行われており、調査と公表時期は以下のとおりです。

「年次別調査」 :金融・保険業を除く営利法人を調査対象として
9月に公表されます。

「四半期別調査」:金融・保険業を除く資本金1,000万円以上の
営利法人を調査対象として3月、6月、
9月、12月に公表されます。

調査項目は決算項目と仮決算項目値で公表されている指標は以下のとおりです。

売上高、経常利益、利益処分、
諸比率(売上高営業利益率、売上高経常利益率)、
付加価値(人件費、営業純益等)、
投資動向(設備投資、在庫投資)、
資金事情(受取手形等、短期借入金、外部調達、内部調達)
外部調達:増資、社債、借入金
内部調達:内部留保、減価償却

参考URL:
対外の貸借と国際収支

対内・対外証券投資  指定された大口投資家の証券売買額を集計した統計です。 外国人投資家による株式を中心とした日本への証券投資額等が集計されています。

対内証券投資と対外証券投資状況が集計されており、以下のような傾向を示唆しています。

・対内証券投資は非居住者による日本の株式、公社債の取得・
処分額を示しています。

対内証券投資での資金の流れは以下のようになります。

取得は資本流入、処分は資本流出

・対外証券投資は居住者による外国株式、公社債の取得・処分
額を示しています。

対外証券投資での資金の流れは以下のようになります。

取得は資本流出、処分は資本流入

このことから対内・対外証券投資と円の関係は以下の関係になります。

・円安要因
対内証券投資が取得超過でネットがマイナス (資本流出)
対外証券投資が処分超過でネットがプラス  (資本流出)

・円高要因
対内証券投資が取得超過でネットがプラス  (資本流入)
対外証券投資が処分超過でネットがマイナス (資本流入)

参考URL:
対外及び対内証券売買契約等の状況

新発10(20)年国債入札  株式と国債は同じ金融商品です。 株式市場に人気が集まると、相対的に国債の人気が低下しますので、株が買われて国債(債券)が売られる(利回りは上昇)ケースがあります。

これは国債の人気がなくなると、「値段を下げる」か「利回りを上げる」事で買い手を促すためです。

このことから国債の価格が下がると利回りは上がるので逆相関の関係にあります。

株価上昇->債権売り->金利上昇

長期金利とは、「1年以上の借入金の金利」のことです。

また、国が発行する10年物国債(長期国債)の中で流通量が多い銘柄の利回りが、住宅ローンの金利や銀行が企業へ融資する際の金利の基準として用られています。

このため、最新の入札結果、発行条件は市場や株価に影響を与えるのです。

参考URL:
国債の市場
債券投資を考える VOL.4 金利と債券価格は逆向きなワケ


↑先頭

○総務省が公表する経済指標

完全失業率  労働力人口に占める完全失業者の割合に関する指標です。 労働力人口とは、15歳以上人口に占める労働力人口の割合です。

失業率(完全失業率)=(完全失業者÷労働力人口)×100

完全失業者とは次の3点全て満たす人を指します。

1)就業者では無く仕事が無くて、調査週間中に少しも仕事を
しなかった。

2)仕事があればすぐ就くことができる。

3)調査期間中に、過去の求職活動の結果を待っているか、
仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた。

この指標は「労働力調査」として毎月公表されています。

参考URL:
労働力調査 調査結果

全国消費者物価指数  商品やサービスの物価水準を示す経済指標です。 約600品目の物価を対象に2000年平均を100として算出して毎月1回公表します。

日銀が量的金融緩和策を解除する根拠のひとつとなりました。

品目は以下の基準で選定されています。

・家計の消費支出の中で重要度が高い

・価格変動的に代表性が高い

・継続調査が可能である。

公表される指数には全ての品目を含んだ「総合指数」と月別変動が大きい生鮮食料品を除いた「消費者物価コア」があります

参考URL:
全国消費者物価指数


↑先頭

○厚生労働省が公表する経済指標

有効求人倍率  有効求人数を有効求職数で割ったもので、「有効」とは当月の新規数と前月からの繰り越し分を合わせたものを指します。 厚生労働省の職業安定局が発表している「一般職業紹介状況」に掲載されます。

有効求人倍率が高いと職は見つけやすく、低いと職は見つけにくいと判断します。

求職、求人とも全国のハローワークで取り扱ったもののみが集計の対象となります。

失業率が景気の遅効指数であるのに対し、有効求人倍率は、一致指数であります。

有効求人倍率に対し、当月だけの新規求職者数と新規求人数の割合を、新規求人倍率といいます。

参考URL:
職業安定業務統計(一般職業紹介状況)について


↑先頭

○経済産業省が公表する経済指標

鉱工業生産指数  鉱工業を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に関連する諸活動の動向に関する統計です。 公表される指数は複数あり、各指数と公表時期は以下のとおりです。

指数の対象が鉱工業で速報が翌月27日頃、確報が翌々月15日頃公表されるもの

生産指数(付加価値額ウェイト)

生産指数(生産額ウェイト)

生産者出荷指数

生産製品在庫指数

生産製品在庫率指数

指数の対象が製造業で速報が翌々月15日頃、確報が翌月27日頃公表されるもの

稼働率指数

生産能力指数

製造工業生産予測指数

参考URL:
鉱工業生産・出荷・在庫指数メインページ


↑先頭

○国土交通省が公表する経済指標

地価公示  土地取引や資産評価をするに当たって、土地の適正な価格を判断する為の客観的な目安として公表されています。 自由な取引において通常成立すると考えられる1平方メートル当たりの更地としての評価をします。

その土地の形状、周辺の状況、駅までの距離やガス・水道・下水道の整備状況

参考URL:
ここがポイント地価公示

[table “4” not found /]

キャンペーン情報
[table “4” not found /]